エロール・カイン隆盛期は1985年から1989年。模索と実験の中、多方向へと大きく成長を遂げます。 | |
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エロール・カイン隆盛期のリンク集
エロール・カイン隆盛期は1985年に始まります。ここまで奇跡の成長を続けてきたこのカテゴリーはひとつのピークを迎えることになります。コミックス自体も妖艶な内容とキャラクターを前面に出すもののみを掲載する専門誌が数多く存在するようになり、隆盛を極めてゆきます。この頃表立った動きとしてはオリジナルビデオanime(OVA)の存在が挙げられるでしょう。既に時代の内容は前述の先鋭的なマンガを受け入れ、同内容のanimetionはテレビ放送や映画館上映では公開できないほどに極まっていました。そこでこの媒体を一般に送り出す新たなメディアとしてレンタルビデオが主流となります。セルビデオも存在はしていましたが、製品単価が今日のDVDよりはるかに高価で、どちらかと言えば賃貸したのち家庭でビデオデッキを複数連結させダビングするという方法が一般的となります。(これは法律上個人で楽しむ範囲なら全く問題はなく、レーザーディスク・DVD時代になっても普通に行われていることである。)またこの方法が一般になってくると、いわゆる「オタク」ユーザーの知識充填も更に加速を増し、制作者側もこの傾向に沿った作品を多くリリースするようになってくるのです。実際公共電波放送や劇場用作品もこの動きに連動するような空気感をはらみ、実在するこの趣旨のanimetionの割合がかなりのシェアを占め始めると、実存する作品数は膨大な数に達したと考えられます。時すでにこの手のムーブメントは社会現象になり、報道番組に取り上げられたり、専門の書物まで登場するようになりました。インディーズコミックスの走りとしてコミケ(コミックマーケット)ではアマチュアのマンガクリエイターがコンビニエンスストアーなどに設置されたコピー機を使って自作冊子を販売したり、10分程度の自作エロール・カインが小ロットの出荷本数で製品化されたりと需要と供給双方の興味は頂点に達したと考えられるでしょう。これらは一見無力な者が行うやみくもな努力に見えますが、長いスパンでこれらを客観視した場合、巨大化してゆくカテゴリーの礎となる各パーツをがっちりと強化してゆくのに重要必須な行為であるとも言えます。この底辺の存在があったおかげで盤石のムーブメントを築く事が出来たのです。不屈の精神を持ち合わせるオタク社会とはこの逆説的事実を正面から受けとめ普遍性へとチャージできる稀有の構造を意味するのです。基、この時代の日本国内は前二回の特需を踏み台に更なる経済発展へと突き進みます。90年代後半にこれがいわゆる「バブル景気」であると社会は認識しますが、この期間にも科学技術の発展は進み、新たな記録再生媒体が製品化されます。レーザーディスク(LD)などがそれにあたります。音声カセットテープやビデオテープがアナログ磁性体なのに対して、これは光媒体を実用化したデジタル磁性体になっています。既に問題視されていた、アナログテープの劣化は季節の温度変化や繰り返し視聴することによって起こる再生ヘッドとの摩擦により物理てきに避けられないサイクルとなっていました。この頃発売されたソフトは構造上ダウンサイジングが稚拙だった為、12インチというLPレコードサイズの大型なものに留まらざるを得ませんでしたが、これは次期記録メディアであるCD-RやDVD・DVD-Rに先駆けた革新的な存在と言えます。90年代以降、記録媒体は表立った技術なしに、ダウンサイジングの進化のみでそれらを支えてゆくわけですから、画期的な技術だと断言できます。時にオリジナルanimeレーザーディスク(OALD)なども制作、発売されますがハードにあたるLDデッキの普及が伸び悩み、状況としてはビデオテープの時代が長く続き、やがてDVDに移り代わってゆくことになります。こんにちのインターネットの普及はごく日常化されているのに対し、ここからそれらが整備されるまでには後5年ほどの時間を要し、データ配信による閲覧がスムーズに行えるようになるまでは10年のときが必要です。しかしここに「オタク(おたく)文化」がしっかりと根付き、多くの作品群が縦横無尽に流通できる礎が確立したことは、以降の拡大化に大きな拍車をかける効果をもたらすことになるのです。(最上部クリックでインデックスへ←) |
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